平成における音楽業界の歩み

平成という時代ももうすぐ終わりを告げようとしています。様々なメディアが平成を彩った音楽達、ドラマ達といった振り返りをバラエティ番組等で行っていますね。

ふと思いましたが、平成という時代は日本の音楽にとって大きな転換期だったと言えるのではないでしょうか。

大きな転換期と言える一つの要因は、平成初期はCDのセールスが目立ち、後期に入りパッケージ化したものが売れなくなっていたということです。

平成のセールスが大きい曲は、ほとんど平成前半です。データ化が進んだ為、ダウンロード販売が進みました。しかし、ダウンロード販売もそれほど順調に売れているわけではなさそうではあります。

音楽業界も販売の手法を変えていて、定額聞き放題サービスが目立ってきています。「物を持たない」という動きは音楽業界に限らず、衣類、バッグといったアイテム系のレンタルシェアに波及しています。この内容も掘り下げると結構面白い内容ではありますが、話がそれていくので今回は割愛します。

AKB48に代表されるように、パッケージ化した音楽を販売するためには付加価値が必要になりました。投票の権利をCDを購入することで得る…非常に考えられたセールス方法だと思います。もうセンターを決める総選挙はしないようですが、昨年10回目を迎えた総選挙は話題性もセールスも一つの形として素晴らしいアイディアだったのだと思います。もちろん、あくまでセールスの在り方としての話です。

「お金のために音楽をやっているわけではない」というアーティストの方は多いはずです。好きなことを仕事にできていれば、いろいろと仕事上気になることに目を瞑ることもできるはずですし、人生の歩み方として信念に沿って突き進むというのは素晴らしいことです。

ただし、生活のための資金繰りに困るレベルだとまずいでしょう。音楽においてもデザインと同じだと思いますが、心配事が少ない方が曲作りに没頭しやすいと思われます。心痛が多いと集中できませんから。

そもそも、CDが売れていたバンドマンでも、収入はあまり多くはありません。作詞作曲を行っている人がセールスの3%。そこに携わっていない人は、さらにその10分の1くらいしかないようです。

CDアルバムが1枚3,000円として、それが1万枚売れたとします。ざっくりとした数字ですが、売り上げが3千万円の計算です。その場合、作詞作曲に関わっていないバンドの一員の収入は9万円ということになります。

アルバムを出すペースを考えても、作詞作曲をした場合の90万円でもかなり少ない額と言えます。一人でシンガーソングライターとしてやっている人ならば、ある程度計算もたつのかもしれませんが。

興行としてライブで稼いだ方が収入は安定するようです。もちろん、会場が埋まるというのは大前提です。ほかにもグッズの売り上げ、レンタルCDやカラオケの収益があります。JASRACが管轄している著作権絡みの収益は結構良さそうです。社会的にムーブメントを起こしさえすれば、長くカラオケの収入を見込めるのです。本の印税みたいなものですね。そう考えると、CDのセールスランキングなどで見かける人よりも、カラオケで長年歌われている歌手の方が財布は豊かなのかもしれません。

近年、小学生の「将来なりたい職業ランキング」でYOUTUBERが2位になったことがあったと記憶しています。よくよく考えれば、収益のバランス的にはアーティストに憧れていたのとあまり大差はないのかもしれません。むしろYOUTUBERの方が市場は広いですよね。大多数の日本語歌詞で歌うアーティストは日本向けがメインですが、YOUTUBERは比較的安易に世界を相手にすることができます。日本の音楽がきつい理由の一つは、英語がメインではないということにもあるわけですから。

平成最後の特集をメディアが多数行っているのを見て、なんとなく最近思っていたことでした。日本の音楽業界が下火になっていかないよう、新しい一手が待ち望まれている気がしています。

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Author:WEB管理者 

 

WEBサイト制作の現場でWEBディレクター、WEBデザイナー、コピーライターとして主に活動。
現在は不動産投資のノウハウを学ぶべく、日夜勉強中。