最近なにかと話題になっている「フッ化水素」について書いてみたいと思います。
外交の一コマとしてフッ化水素の輸出について注目が集まっているところですが、そもそもの話として、フッ化水素とは何でしょうか。また、世界的なシェア、材料などを調べてみました。
wikipediaによると、
「フッ化水素とは、水素とフッ素とからなる無機化合物で、分子式が HF と表される無色の気体または液体。」
とあります。 小学校から理科が不得意だった私には、まだよくわからないです。
インターネット上に書いてあったもので一番わかりやすかったのは、「スプーン1杯間違って飲んだだけで現世とお別れすることになる劇薬」というものがありました。ゴム手袋を一瞬で溶かして貫通していくようなもので、一滴体にかかっただけでとんでもないことになるようです。怖いですね。
純度の高いフッ化水素が半導体作成に不可欠のものだそうですね。このフッ化水素に関しては純度が非常に重要のようで、99.99%以下は低純度製品という扱い、かつ製造も容易なのだそうです。逆に純度が非常に高く、超高純度のモノはエッチングガスと呼ばれるのだそうです。わざわざ呼び方を変えるくらいですから、ここに大きな差があることがわかります。 「2019年7月時点で99.999%以上の超高純度のエッチングガスは日本企業のみが製造出来る」とwikipediaにありますから、これは「技術の日本」として誇っていいのでしょう。こんな理科に疎い私でも嬉しくなってくるような情報です。
この純度の高さが半導体の出来に大きく関わってくるということで、日本の技術力が作った世界との競争力となっています。世界における日本のシェアはなんと8割です。他国でも自国作成を試してはきているみたいですが、なかなか成功しないようです。
日本人特有の「100を作れと言われたら失敗0の100個作成を目指す」精神が活きています。これはずいぶん前にテレビのコメンテーターがアメリカの生産者と日本の生産者の違いとして仰っていました。ちなみにアメリカの生産者については「100を作れと言われたら105個作って5個失敗で良しとする」という表現でした。これはスピード感もあるわけですから、ダメというわけではないのでしょうけども。
そんなフッ化水素ですが、材料は「蛍石」です。この形状、いつかどこかで見たような気がするという方はいないでしょうか?実は「天空の城ラピュタ」で使われていた飛行石はこの蛍石がモチーフとなったものと言われています。おそらくラピュタのファンからすれば当たり前レベルの話なのだと思いますが、私は色々と初めて知っていくことばかりでした。フッ化水素は蛍石を硫酸で溶かすことでできるものだそうです。
この蛍石、実はamazonで購入できます。パワーストーンみたいな感覚で購入する人がいるのかななんて思いましたが、加工されたアクセサリーはなかなかおしゃれです。希少鉱石というように書かれていましたから、amazonに出回っているのはちょっと意外でした。
蛍石の原産は主に中国となっています。フッ化水素の世界シェア8割が日本と書きましたが、残りの2割は中国とのことです。自国で消費もしているということですね。
フッ化水素がどれくらい生活に密着しているのかというのもちょっと確認してみましょう。焦げ付きにくいフライパンとして有名な「テフロン加工」という言葉がありますが、そのテフロンの材料がフッ化水素です。テフロンは他にも屋根材、眼鏡などにも使われています。また、エアコン・冷蔵庫の冷媒や洗濯用合成洗剤にもフッ化水素が入っています。
ただ、これらの日常生活に使われているフッ化水素は純度が99.99%以下のものです。つまり、日本産である必要性はないものということ。
日本産の純度が99.999%以上を誇るフッ化水素は「半導体」に対して大きく有用性があるということです。フッ化水素の純度が低ければ低いほど、不良品となる率が上がるのが原因です。
純度99.99%以下のフッ化水素は純度99.999%の10倍の不純物があることになります。なんだかすごく細かい数字の話なのでピンとこないところですが、モノの違いで10倍の性質の良し悪しが変わるとなるとわかりやすいですね。
日本が誇る技術を少し掘り下げて確認してみた回でした。まだまだ知らない日本の技術はたくさんありそうですね。
WEBサイト制作の現場でWEBディレクター、WEBデザイナー、コピーライターとして主に活動。
現在は不動産投資のノウハウを学ぶべく、日夜勉強中。