みなさん、貯金はしていますか?投資はしていますか?資産運用はしていますか?
一口に投資と言っても、実に様々な投資方法があります。また投資する目的も用途も様々です。
例えば、将来働けなくなる老後に向けた資産として、あるいは子どもの教育用の資金として、さらには住居購入費用にあてることもできます。このように人生には大きなイベントが何度も訪れます。その際、まとまった資産があるかによって、選択肢の幅が非常に広がります。
年金も退職金も少なくなると言われている、先行き不安な時代だからこそ、毎月少しでも貯金をして、資産を増やしたいと考えるのは当たり前のことだと思います。
今回はそんな投資初心者にとってリスクが少なく、長期的に運用することで、資産を増やしやすい投資である、投資信託についてご紹介します。
投資信託とは
投資信託とは、投資家から資産を集め、専門家が株式や債権などを購入・運用し、その成果を投資家に分配する仕組みの金融商品です。運用方針はその商品ごとに定められており、運用の成績もまとめられております。投資信託では市場変化を受けますので、運用した結果、得をすることもあれば、損をすることもあります。銀行の普通預金や定期預金と違って、元本が保証されていないのが大きな特徴です。
元本保証されていないというのは確かにリスクですが、日本の銀行に預けても、金利はごくわずかのため、お金はほとんど増えません。
ところが、例えば世界経済に注目すると、上下変動を繰り返しながらも、長期的に見ると上昇しております。もし、世界経済に連動する投資信託を長期的に保有して運用すれば、リスクはかなり抑えながらも、預けた資産を増やすことができるのです。
投資信託の仕組み
投資信託は、販売・運用・資産の保管といった業務を、以下の専門機関が担うことで成り立っています。
・投資信託運用会社
ファンドと呼ばれており、投資信託を作成する。
・販売会社
証券会社、銀行など投資信託を販売する。
・信託銀行
投資信託を販売して集めたお金をまとめて保管する。運用会社の指示により、
株や債券の金融資産を売買する。
・運用会社
集めたお金をどのように投資するかを考えて、信託銀行へ投資の実行を指示する。
投資信託を始めるには
投資信託を購入するまでの流れを解説します。
まずは、運用方針を決めましょう。
投資信託を実際に購入できる金額、運用する期間などです。
運用方針が決まれば、それに基づいた商品を選びましょう。
長期的に債券で安定運用するのか、株式で分散投資するかなどが決まれば、商品が絞られていきます。
商品が決まれば、投資信託を購入する証券会社を決め、口座を開設します。
証券会社により、扱う商品やジャンルなどが異なります。
最近では手数料の安いネット証券が主流です。
必要事項を入力し、本人確認書類を送付すれば、銀行口座と同じように開設できます。
続いて、口座が開設されたら、実際に投資信託を購入します。
銀行口座から証券口座に入金し、選択した投資信託を購入しましょう。
購入後は投資信託を運用します。
定期的に運用状況を確認しましょう。
投資信託で短期売買はしないので、頻繁に運用成績などチェックしない方が良いでしょう。運用していれば、資産評価額が上がったり、下がったりしますが、目的や用途に合わせた運用ルールを作り、すぐに売却しないように気をつけましょう。
ある程度資産が増えて、目的が達成されたら、投資信託を売却して、現金化します。
投資信託はまとめて売却しなくても良いので、必要な分だけ、取り崩すイメージです。
投資信託の種類
それでは、投資信託はどれを選べば良いのでしょうか?そもそも何種類あるのでしょうか?
実は国内だけ見ても、なんと6000本以上あります。この中から選ぶのは大変と思われるかもしれませんが、投資信託はいくつかのパターンに分類されていますので、資産運用の目的に合わせて、商品を組み合わせて選びましょう。
投資信託の種類について解説します。
債券(国債、社債)
債券は国や会社が活動資金として、お金を借りるために発行する証券です。
債券には満期が定められているため、満期を迎えると、全額返金されます。
投資家が債券を元に、お金を貸して、その代わりに定期的に利子を受け取ります。
銀行が企業にお金を貸して利子を受け取る仕組みと同じです。
満期を迎えるとお金が戻るため、リスクが小さい投資商品です。
一方で利子も少ないことが多いため、結果としてリターンも小さくなるでしょう。
株式
株式は資金調達手段の一つで、会社がその運営資金として発行する証券です。
投資家は、企業の成長に対して出資することで、業績に応じた配当がもらえます。
株式は市場変化や業績に敏感に反応するため、債券に比べるとリスクが大きい投資商品です。
一方でリターンとしては大きくなります。
不動産
リートと呼ばれ、不動産の賃料収入を投資家へ分配します。
物件の賃料収入なので、比較的安定した収益は見込めるものの、
空室や天災といったリスクもあるので、債券ほどリスクは小さくありません。
コモディティ
コモディティは金や原油といった資源を商品にした投資です。
新しい資源の仮想通貨などもこちらに該当します。
コモディティは物価変動に大きく影響するのが特徴です。
また、株式市場が落ち込んだ際に購入され値上がりすることもあります。
投資信託はこれらの商品を組み合わせて作られています。
例えば、債券だけを集めたもの、株式と債券を組み合わせたもの、すべての種類を組み合わせたものなどです。
また国内だけではなく、海外と日本、アジアだけ、先進国だけなど地域を組み合わせたのものあり、その組み合わせや配合バランスが多岐にわたるため、結果的に商品数が増えているのです。
投資信託の手数料
投資信託には一定のコストがかかります。コストは商品によっても様々ですが、大きく分けて以下の手数料に分類されます。
投資信託を取引する際、コストにどのようなものがあり、どの程度かかるかを抑えておくのが重要です。うまく運用できたとしても、手数料は最終的なリターンに大きく影響するからです。
販売(購入時)手数料
投資信託を購入する時に支払う手数料です。換金時にかかることもあります。申込額の数%を手数料として払います。
商品や販売会社によってその割合は異なり、費用がかからないノーロードの商品もあります。
運用管理手数料(信託報酬)
投資信託を保有している間、発生する運用管理費用です。投資信託の保有額に応じて数%払います。年率どれぐらい払うかは目論見書に定義されています。
投資信託財産留保額
販売手数料と逆で、投資信託を換金した際に発生する費用です。換金代金から差し引かれ、販売会社ではなく信託財産に留保されます。
税金
直接的な手数料ではないですが、投資信託を換金した際に得られる分配金や売却益といった利益には、一定の税金が課せられます。
個人投資家の場合、およそ2割の税金を支払わなければなりません。こちらの税金を抑えるのにおすすめなのが、NISA(少額投資非課税制度)の利用です。NISA口座で購入した金融商品は年間120万円までであれば、5年間利益に税金がかかりません。つみたてNISAの場合ですと、金融商品の購入年間40万円を上限に、20年間にわたって投資で得た利益に対して非課税制度が適用されます。
初心者にとっては是非利用しておきたい制度です。
投資信託のメリット
少額で購入して始められる
株式や債券の投資となると、10万円〜100万円というまとまったお金がないと購入できないことが多いです。
一方投資信託の場合、数100円から始められるものもあるため、資産運用の入り口として、気軽に始められます。
分散投資できる
上記とも関連しますが、投資信託では多くの資金を集めてから投資するという方法のため、1つの商品には、個人では購入できないレベルの豊富な種類の資産が含まれています。例えば、株式数100種類、国ごと、先進国ごとといった具合です。また株式、債券、不動産などの資産を混ぜてある投資信託もあります。極端なことを言えば、投資信託を保有することで、世界の全資産に投資することも可能なのです。そのうちの一部の価値が暴落したり、破綻したとしても、全体の影響としては少ないため、リスク分散ができています。
投資のプロが運用する
株式や債券の投資の知識を身につけるには時間もお金もかかります。
その点投資信託であれば、非常に長い歴史の商品も多いため、運用成績などから、リスクを考慮した確実なリターンをある程度予測することができます。特にインデックスファンドなどは、例えば株価指数に連動した商品があり、ルールにそって機械的に運用しているため、運用手数料が安くなり、年利数パーセントのリターンが期待できます。
投資信託のデメリット
元本保証がない
銀行の普通預金とは異なるため、元本割れのリスクはあります。
コストがかかる
個別に株式や債券を直接購入し、運用するわけではなく、プロに運用を任せるため、その分のコストはかかってしまいます。
リターンが少ない
投資信託では株式で10倍株といった大きなリターンは見込めません。しかし、リスクとリターンは表裏一体のため、投資信託の方がリターンは少ないけれども、リスクも少ないということにはなります。
売買に時間がかかる
株式の場合、証券取引所でリアルタイムで売買できます。一方投資信託ですと、売買にラグがあるため、リアルタイムでの取引はできません。しかし、投資信託は長期的に保有することが多く、価額の変動も株式とは異なるため、リアルタイムで売買する必要性はないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は初心者にとって始めやすい投資信託について解説しました。
銀行に預金しても、全く資産が増えない時代に、投資信託は分散投資でリスクも減らせる投資方法として、注目されています。
ご自身の資産運用の目的や用途に合わせて、投資信託を検討してみてはどうでしょう。少額で始められるので、勉強しながら、少しずつ投資額を増やしてみてもいいかもしれません。