2017年頃に、ビットコインが大きな話題を呼んだことをご存知でしょうか?
ビットコインは仮想通貨(別名:暗号資産)と呼ばれるものの1つで、投資の1つの種類として注目を集めました。
しかし、イマイチ仮想通貨と言われてもイメージが湧かないような人も多いのではないでしょうか?
本記事では、仮想通貨や仮想通貨の1つであるビットコインがどういったものなのか、なぜ注目を集めたのかを初心者にもわかりやすく解説していきます。
【仮想通貨】仮想通貨とは?
仮想通貨の概要
仮想通貨とは電子データのみでやり取りが行われる通貨のことで、インターネット上での取引を主として使われるものです。
仮想通貨の特徴
仮想通貨の特徴としては、3つ挙げられます。
1.中央管理者が存在しない
仮想通貨最大の特徴は中央管理者が存在しないことです。
私たちが普段身近に感じている「円」というのは、国家や中央銀行のような管理組織によって管理されていることから、法定通貨と呼ばれています。
一方で、仮想通貨はそういった組織が存在しないため、P2P方式でトランザクションを参加者全員で監視するブロックチェーンという方法で管理されています。
ちょっとわかりづらいですよね。
細かく解説すると、P2Pは「Peer to Peer」のことを指し、「Peer」は同等の者という意味があるので、同等の立場の者同士(仮想通貨の使用者)ということを意味します。
トランザクションは商取引のことを意味します。
つまり、ブロックチェーンという方式は仮想通貨の使用者同士で商取引を管理していく方式のことを意味していて、仮想通貨はこの方式で管理されています。
中央管理者が存在しないため、法定通貨のような中央銀行の持つ信用が価値を変動させるわけではなく、仮想通貨は単純にその流通量に対する需要と供給によって価値が変動します。
2.発行できる量が決まっている
法定通貨は経済状況に合わせて発行する量を決めることができます。
しかし、仮想通貨は中央銀行のような通貨を発行する組織が存在しないことから、物理的に上限なく発行することができません。
ビットコインだと、2100万枚まで発行できるという風に上限が仮想通貨の種類ごとに決まっています。
3.換金できる
仮想通貨は「円」のような法定通貨に換金することができます。
先程述べたように、流通量に対する需要と供給によって時価が変動するため、当然時価が高い時にビットコインを売って、時価が低い時にビットコインを買った方がいいですね。
【仮想通貨】ビットコインとは?
ビットコインの概要
ビットコインは仮想通貨の1つで、BTCという単価で表現されます。
2009年にサトシ・ナカモトという人物によって公表された論文に基づいて、運用が始まったと言われています。
ビットコインの立ち位置
ビットコインは仮想通貨の中でも比較的法定通貨に少し近い立ち位置の役割があります。
仮想通貨の大半は、ゲームやWebサイトで使うために作られました。
わかりやすく例えるなら、ゲームをしたことがある人なら一度は、
「ゲームで稼いだお金、現実のお金にならないかなぁ」
と考えたことがあるのではないでしょうか?
実はこういったゲームで稼いだお金を現実のお金にできるゲームが現実としてすでに存在します。
これをブロックチェーンゲームと言います。
ETHといった仮想通貨を取引所で購入して始めることができます。
この取引所の代表例として、動画系サービスで有名なDMMの「DMM Bitcoin」が挙げられます。
これは企業が仮想通貨を運営して利用者を囲い込み、利益を上げることを目的として仮想通貨が作られています。
それとは異なり、ビットコインは世界中で日常的に使うことを目的として作られた仮想通貨です。
【仮想通貨】ビットコインが流行した経緯
年金制度の崩壊がささやかれてから、次第に投資に対して前向きな国民が増えていった最中に、2017年頃、ビットコインの価格が急上昇し、ビットコインを購入する動きが活発となり、その後大暴落をして大きな損失を抱える人が見られました。
芸能人でもそういった状況に陥った人が数多くニュースなどで報道されていたのもまだ記憶に新しいですね。
なぜビットコインが突然流行し始めたのでしょうか?
1.仮想通貨法の成立
2016年の5月に、日本で仮想通貨法(改正資金決済法)という法律が制定されました。
この動きが後押しして、仮想通貨を利用できる店舗が少しずつ増えていったり、ビジネスの場で運用したりする機会が増えてきました。
2.大企業の参入
三菱東京UFJ銀行は、全国的に非常に有名な銀行の1つですよね。
三菱東京UFJ銀行を展開する三菱UFJフィナンシャル・グループは、2017年の1月に「MUFGコイン」という仮想通貨の一般向けの運用に舵を切ったことを発表しました。
当初の予定では2019年からの運用を開始するつもりでしたが、慎重な対応を行い、名称を「coin」に変更して、2021年1月現在も開発途中の段階で、大きな動きは見られていません。
こういった大企業が少しずつビットコインの着手に動き始めたのが2017年でした。
3.高還元なアフィリエイト案件
日本のビットコインの取引所の特徴のひとつに、アフィリエイトプログラムが用意されているというものがあります。
アフィリエイトとは成果報酬型広告と呼ばれるもので、あるウェブサイトに掲載されている広告のリンクから商品やサービスを購入するサイトにとんで、そこで商品やサービスを購入すると、広告を掲載したサイトやコンテンツを扱う人に、購入金額の一部が入る仕組みのことを指しています。
このアフィリエイトプログラムがビットコインでは高還元のものが多かったことから、自身のブログや動画コンテンツなどに掲載する人が2017年に入ってから非常に増え、ビットコインの新規参入者を一気に増やしました。
4.VALUの登場
極めつけが「VALU」というサービスの登場です。
VALUは個人の権利を売買するサービスで、「VA」という株式に近いものを発行することで自分の権利を売り出し、応援したいと思ってくれた人がビットコインでそのVAを購入することで、儲けを得られるといったものです。
例えば、とある漫画家が漫画を500円で販売する時、数量100冊限定でVALUで先行販売を行う場合なら400円で買えるというサービスを打ち出しました。
そこにVALU購入者特典として、書き下ろしのオリジナルストーリーを綴った小冊子を付けました。
VALUで100冊が完売した後、まだVALU購入者特典が欲しいという人のために、VALUの先行販売の値段を500円にあげ、数量もさらに100冊増やします。
これを続けていくことで、VAの価値は高まっていきます。
当然、不人気なら逆にVAの価値は下がっていくこととなります。
このサービスが注目を集めてビットコインを使う人が増えました。
しかし、VALUは2020年3月末をもって終了しました。
まとめ
仮想通貨とはその名の通り、電子上の通貨のことを指していて、法定通貨とは違って、取引を行う個人間で厳重な管理を行うブロックチェーン方式で守られている通貨です。
仮想通貨は企業の利益目的でゲームやWebサイトで使われ始め、これまでの通貨の概念を超えた使い方に魅力を感じる人が増えました。
2017年に流行したビットコインは、それまでの仮想通貨とは違ったより生活に身近な仮想通貨として作られました。
そんなビットコインが突然流行したのは、将来性を注目されはじめている最中に、仮想通貨法が制定され、国として仮想通貨が認められたことで、大企業が参入し始め、アフィリエイト案件やVALUといったビットコインを使ったサービスの登場で、一気に知名度を上げていったからです。
今後、より安全性を持って仮想通貨が使えるようになれば、法定通貨に代わって仮想通貨が主流となり、それにより仮想通貨を使った様々なサービスが登場する未来もそう遠くはないかもしれませんね。