この記事をご覧の皆さんの中には、iDeCoで老後資金の積み立てを行うためにiDeCoの基本的な概要にについて学習したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
近年将来に関する不安が増大しており、特に自身が引退した後の老後に安泰に暮らしていくためにも老後資金を準備する方法の1つとしてiDeCoが注目されており、その基本的概要について学習することは重要です。
そこで、この記事ではiDeCoで老後資金の積み立てを行うための前提知識としてiDeCoに関わる基本的な知識や概要などについて説明していきます。
① iDeCoとはどのような投資方法なのか?
iDeCoとは、個人型確定拠出年金の略称のことで、加入者自身が掛金を拠出し、運営管理機関が対象としている商品の中から運用先を選択して年金資産を運用できる年金制度となっています。
iDeCoに加入した人は、運用先に選んだ運用機関の運用成果に応じて将来の給付額が決まってきますので最終的に受け取ることができる年金額には個人差があります。
2017年1月から現在にかけて、原則全ての企業に勤めているサラリーマ、専業主婦(主夫)、公務員、個人事業主などのすべての人の加入が可能です。
しかし、企業型確定拠出年金に加入している人や企業年金に加入している企業に勤務している人などは、勤務先の規約などにより加入できない場合もありますので注意してください。
② iDeCo(個人型確定拠出年金)と企業型確定拠出年金の違いとは何か?
確定拠出年金には企業型と個人型があるのですが、両者にはどのよう違いがあるのでしょうか、具体的には以下のような違いがあります。
①企業型確定拠出年金 | ②個人型確定拠出年金(iDeCo) | |
加入意思 | 会社が退職金制度として導入している場合に加入することができる | 自身の意思で選択することができる |
掛け金の有無 | 企業型確定拠出年金導入企業が加入者である従業員の掛金を負担し、各従業員の年金口座へ掛金を振り込みます。 | 企業から掛け金を振り込んでもらうことなく、全額自己資金で年金運用を行う |
運用商品の選択について | 企業が提示した商品の中から従業員は運用先を決定し、年金資産を運用する | iDeCoの対象商品の中から自由に選ぶことができる |
iDeCo(個人型確定拠出年金)と企業型確定拠出年金の両者の間には上記のような違いがありますので、押さえておいてください。
③ iDeCoの他の年金制度との関係性とは?
iDeCoは他の年金制度とどのような関係があるのでしょうか、具体的な内容について以下において説明していきます。
日本の年金制度の基本的な仕組みとしては3階立て構造になっており、会社員の人の場合は「1階が国民年金、2階が厚生年金、3階が個人型確定拠出年金(iDeCo)などのようになっています。
上記の1・2階部分の年金制度のことを「公的年金」といい加入が強制づけられている制度となっており、3階部分のiDeCoは「私的年金」という加入が任意である年金制度となっています。
また、公的年金には国民年金や厚生年金があり、「私的年金」にはiDeCoの他に国民年金基金などがあります。
iDeCoは私的年金に分類される年金制度であり、公的年金とは異なり加入義務がなくどの私的年金を選択するかを自由に決められるようになっているのです。
④ iDeCoに加入するメリットとは?
iDeCoに加入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか、具体的には以下のようなものがあります。
① 積み立てた掛金が全額所得控除される
iDeCoに加入するメリットの1つ目には、積み立てた掛金が全額所得控除されることが挙げられます。
積み立てている金額の全額が所得控除の対象となることから、積み立てている掛金の年間の総額を所得から差し引いて税額を計算できるため。そこから差し引いた分によって所得税や住民などの支払い税額を縮小させることが可能です。
どのくらいの額を節税できるかどうかはその人の年収や掛金の大きさによりますが、これらの額が大きな人ほど節税できる額が大きくなり、大きな節税効果を享受することができます。
② 運用上得た利益に関しても課税されない
iDeCoに加入するメリットの2つ目には、運用上得た利益に関しても課税されないことが挙げられます。
一般的に株式や投資信託の運用上得た利息などの運用益に関しては、20.315%の税金が課されるようになっているのですが、iDeCoで資産の運用をして獲得した利益に関しては税金が課されることが一切ありません。
運用益の非課税の効果を活用することによって、通常の投資においては課されていた税金分を再投資に回すことができるようになるので、通常の投資よりも効率的に資産形成を行うことが可能です。
③ 実際に運用で形成した資産を受け取る際にも税金の優遇を受けられる
iDeCoに加入するメリットの3つ目には、実際に運用で形成した資産を受け取る際にも税金の優遇を受けられることが挙げられます。
運用資産の全額をまとめて受け取るときは「退職所得控除」、毎年少しずつ受け取るときは「公的年金等控除」という税優遇の制度を活用することによって税金支払いの優遇措置を享受することが可能です。
公的年金等控除を活用して資産を受け取る場合には、他の公的年金と合算して控除額が計算され、退職所得控除活用する場合には積立期間を勤続年数とみなしたうえで控除額が計算されます。
退職所得控除の計算方法としては勤続年数とみなす積立期間によって異なることになりますが、具体的には以下のように計算することになっています。
勤続年数(積立期間) | 計算式 |
20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円以下のときは、80万円) |
20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年) |
iDeCoの加入を検討している人にとって、上記のようなメリットを享受ができる点が大きな魅力になっていると言えるでしょう。
⑤ iDeCo加入の際の注意点について
iDeCoには魅力的なメリットがいくつかあることは理解していただけたと思われますが、実際に加入する際にはどのような点に注意する必要があるのでしょうか、具体的には以下のような点に注意する必要がります。
① 60歳になるまでは途中で資産を引き出せない
iDeCo加入の際の注意点の1つ目には、60歳になるまでは途中で資産を引き出せないことが挙げられます。
iDeCoで年金資産の運用を行う場合には、原則的に60歳になるまでは引き出すことはできませんがその代わりに、必然的に運用期間が長くなりますので効率的に資産の形成ができるのでむしろ好都合であると言えるでしょう。
② 手数料や口座維持費などがかかる
iDeCo加入の際の注意点の2つ目には、手数料や口座維持費などがかかることが挙げられます。
口座を開設する際にiDeCoを管理している国民年金基金連合会に支払う手数料が2,829円、また、掛金を拠出している間は同連合会のほか事務委託をしている金融機関に対し、毎月計171円の手数料が発生することになっています。
しかし、ある程度の費用がかかったとしてもiDeCoに加入すれば節税効果を享受しながら老後資金を効率的に形成することができるので、このぐらいの費用であればほぼほぼ問題になることはありません。
iDeCoへの加入はメリットも大きいですが、上記のような注意点や投資全般に関わる注意点などについてはきちんと理解してから加入を検討する方が無難なので、この点についても押さえておいてください。
まとめ
ここまで、iDeCoに関わる基本的な知識や概要などについて説明してきましたがいかがでしたか。
自身の老後の生活などを考えるうえで老後資金を準備しておくことは重要であり、そのための効果的な方法の1つであるiDeCoについて事前にしっかりと学習しておくことはとても大切です。
そこで、この記事をご覧の皆さんは、今回の記事で説明した内容を参考にしてiDeCoに関わる基本的な知識や概要などについての学習に役立てると良いのではないでしょうか。
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。